マチュピチュ観光の玄関口となる町クスコからアグアスカリエンテス(通称:マチュピチュ村)までの行き方はいくつかあります。その中でも体力と気力、時間さえあれば初心者でも達成できてしまう徒歩で行く絶景コース(通称:スタンドバイミーコース)をご紹介しようと思います。(ここで書かれている情報は2018年12月現在のものです)
スタンドバイミーコースとは
スタンドバイミーコースとは、クスコから乗合いバスに乗って、ハイキングコースのスタート地点となる水力発電所(イドロエレクトリカ)まで行き、そこからアグアスカリエンテス(マチュピチュ村)まで徒歩で向かうコースのことです。
クスコから水力発電所まではバスで約7時間かかります。ちょっと長めのバス旅になりますね。そしてそこからが本番!水力発電所からマチュピチュ村までは約10キロの道のり、所要時間は約3時間となります。
徒歩コースは始めから最後までずっと線路沿いを歩いて行きます。標高3400mのクスコからはだいぶ下がってきていて、この辺りの標高は2000mちょっと。なので歩いていてもさほど息苦しさなどは感じませんでした。
ちなみにこのスタンドバイミーコースという呼び名と、マチュピチュ村という名称は日本人の間でしか通用しませんので、現地では通じません。
水力発電所までのバスを予約
ハイキングのスタート地点となる水力発電所(イドロエレクトリカ)までのバスはクスコの旅行代理店で予約できます。今回私が予約したところはQori Inka Travelというところです。ここではこのバス予約以外にもレイボーマウンテンのツアーも合わせて申し込みましたが、なかなか良心的な値段で親切に対応してくれました。
↓レインボーマウンテンの参加報告はこちら↓
バス予約の方法としては、昼食やガイド代込みのものや、往復、または片道のみなど色々と選べます。ちなみに私が予約したのはバス代のみの片道で35ソル(約1050円)。帰りはもう少し楽をして電車を利用しました。
途中、昼食をとるためにツーリストレストランへ寄りますが、そこでのご飯代は別途、現地で払いました(15ソル・約450円)。
【Qori Inka Travel】
Calle Garcilaso No.210 C.C. La Casa del Abuelo Int.122 Cusco, Peru
クスコ〜水力発電所までのバス旅の様子
クスコでの集合は午前7時半。
これを早いと思うか遅いと思うかは人それぞれだと思います。というのも私は遅いと思ったから。なぜそう思ったのかというと、
まず、水力発電所からマチュピチュ村までのハイキングは山の中です。日が暮れて暗くなってしまうと先のわからない暗闇の道を、明かりを灯しながら歩くことになります。下手すると迷子になって遭難…なんてことも?それは考え過ぎだったかもしれませんが、やはり初めてで1人で行こうとしていた私にとっては不安でした。それにここは南米で何もかもがゆっくりですから…本当に7時間で水力発電所に到着するのかも心配でした。
7時半に旅行代理店の前で待っているように言われました。予想通り7時半になっても誰も来ず、早くも不安に。結局15分遅れの45分ごろになってから迎えの人が来て、そこから少し歩いてバスの乗車場所へ向かいました。
バスの中は狭い!でも思っていたよりも乗り心地は悪くなかったです。全員揃っていざ出発!かと思ったら、なぜか出発してすぐにガソリンスタンドへ寄り、一度みんな外へ降ろされました(ペルーではガソリン入れる時は車の外に出ないといけないようです)。ここで20〜30分程グダグダとしていました。こういうことって事前に準備できないのかな?この恐ろしいほどの段取りの悪さにみんなだいぶ呆れていました。
ガソリンスタンドを出発してから1時間半後ぐらいに休憩をとりました。休憩20分と言われたのにここでも40分ぐらいグダグダ・・・。不安は募っていくばかりでした。
その後またしばらく走ってからツーリストレストランへ到着。ここで昼食です。バッフェ形式の食事でした。私はもはやもう食事とかいらないってくらい、早く水力発電所に着いてほしい一心でした。
ちなみに休憩所やレストランなどのトイレにはトイレットペーパーがありませんので、自分でトイレットペーパーを持参してくることをお勧めします。ティッシュがわりにもなってきっと重宝すると思います。
水力発電所に着いたのは午後3時半。クスコを出発してからガソリンスタンドや休憩、昼食、そしてグダグダした時間など全てを含めて所要時間約7時間。なるほど、そういうことだったのねとここで少し納得しました。
道中、土砂降りの大雨が降ったりして不安になったりすることもありましたが、水力発電所にに着いたら晴れて暑くなっていました。
絶景の中を歩くスタンドバイミーコース
私はバスのみの予約だったので、水力発電所に着いたらそこでツアーは終わりです。ここからはもう個人行動。自力で歩いてマチュピチュ村まで行くのみです。
スタート地点は駅になっていて、このように電車が止まっているので雰囲気も出ています。
この辺りには同じく歩いてマチュピチュ村へ向かう人たちがたくさんいるので、迷うことはないはずなのですが・・・
歩き始めてすぐにこのような看板が出てきます。いきなり線路を外れてしまうので、みんな「本当にこの階段であってるの?」という感じでした。看板を無視して線路沿いに進んでしまった人の話によると、その先には何もなかったそうです。なのでこの看板に沿って進むのが正解。階段を上るときちんとまた線路が出てきます。
再び線路のコースに出ると、ここからはひたすら歩くのみです。はじめの頃は人もまとまり気味でしたが、次第に分散していき、時には大自然の中でポツンと自分ひとりぼっちになることもありました。
こんな雰囲気のある橋を渡ったりもします。
ずっと歩いていると途中からだんだん疲れてきますが、ひきかえに絶景も見え始めてきます。大自然の中を、そしてすぐ横にはマチュピチュがあるのかと思うと(コースはマチュピチュをぐるっと回るようにして歩きます)、自分は本当にすごいところまで来てるんだなと実感しました。
歩いている途中に電車がやってくることも!汽笛を鳴らしながら近づいてくるので、よく耳をすまして聞いて、近づいてきたら線路から離れましょう。イヤホンで音楽聴いたりしてる人は要注意ですよ!
後半になってくると見所のトンネルも登場。中は真っ暗で明かりなしでは歩けないので、懐中電灯があると役に立つと思います。
※私はスマホのライトを使いました。
水力発電所を出てから約3時間ほどでマチュピチュ村に到着!道中で日が暮れてしまうと怖いなと思ったので、なるべく歩くペースを落とさず、短い休憩を2回ほどとったのみでした。
マチュピチュ村についてからでも宿を探せますが、到着する頃にはもうくたくたに疲れていると思うので、事前に予約しておくといいと思います。
経験者が教えてくれた、役に立つ持ち物
ここに紹介するものは「ハイキングコースに挑戦するなら持って行ったほうがいいよ」と経験者のかたたちから口を揃えて言われたものです。
- 虫除け・・・ジャングル地帯なので蚊がいます。
- 日焼け止め・・・標高もあるので日差しが強め。
- 雨ガッパ・・・途中で雨が降り出した時のために。
- 懐中電灯・・・トンネルで役立ちます(私はスマホのライトで代用)
- トレッキングシューズ・・・雨季だと足元が悪く泥だらけになるかも。私はスニーカーでしたが、砂利道では足の裏に石が当たって歩きづらいこともありました。
- トイレットペーパー・・・トイレにはほとんどトイレットペーパーがありません。ティッシュがわりにもなるので、持って行くときっと重宝します。
- バックパックを覆うレインカバー・・・雨が降り出した時に荷物が濡れずにすみます。
突然の雨に備えておくものが多いです。持って行ったものの、結局使わなかったという物もありましたが、山の天気は変わりやすいので持って行って損はないと思います。実際にマチュピチュ村では雨も降りました(12月の雨季に滞在)。
乾季がおすすめのシーズン
私はつい最近まで、マチュピチュ観光をするにはクスコから高い交通費を払わないと行けないものだと思っていました。他の方法として、キャンプしながら3〜4日かけて歩いて行くガチなトレッキングコース・インカトレイルの存在は知っていましたが、敷居が高くてこちらも手が届かず。そのせいか過去に2回もペルーに来ておきながらマチュピチュへは行ったことがありませんでした。
しかし調べてみるとマチュピチュへの行き方が色々あることを知り、しかもこんなに経済的に行けるコースもあるなんて、使わない手はないなと思ったのです。
クスコからの移動にはまる一日かかってしまいますが、やはりマチュピチュ村へ到着した時の達成感や感動は素晴らしいものでした。
このコースは雨が降っていると足元が悪くなり、ちょっと厳しいかもしれません。なのでおすすめのシーズンとしては4〜10月ごろの乾季。私が行ったのは12月で最も雨が降り出す時期でしたが、奇跡的にも雨には当たらず、しかも晴れていたので、雨季でも行けないことはありません。天気次第ですね。オフシーズンでも観光客は多かったです。
マチュピチュ遺跡とプラスアルファで自然や絶景も楽しめるこのスタンドバイミーコース、きっと充実した旅になると思います。気になったら是非チャレンジしてみてください!
↓マチュピチュ観光にかかった費用のまとめはこちら↓