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メキシコシティの観光地のひとつであるグアダルーペ寺院(スペイン語:BASILICA DE GUADAPUPE)。メキシコ全国および中南米から年間に20万人もの人が訪れる巨大な寺院とあり、全てをゆっくり見て回ると軽く半日はかかってしまうくらい見所がたくさんあります。私自身、何度かグアダルーペ寺院を訪れたことはあったのですが、これまでにじっくりと観光したことがなかったので、今回の旅ではガイドさんを頼んでたっぷりと説明をしていただきました。その時のまとめと解説をしたいと思います。グアダルーペファンのかた必見の記事です!

グアダルーペの奇跡とは?

解説するにはまず「グアダルーペの奇跡」についてお話ししておかなければなりません。この伝説では農民フアンディエゴの前にグアダルーペが4回あらわれたと言われています。

グアダルーペの奇跡(Las cuatro apariciones de la Virgen de Guadalupe)

1531年12月9日(土)

◇1回目の出現

先住民の農民フアンディエゴは、叔父の病の助けを求めるために、当時教会のあったトラテロルコに向かっていました。その途中の丘(テペヤックの丘 Cerro de Tepeyac)で同じ肌の色をした女性「神の母」が現れ、神の子(イエス・キリスト)を見せるための新しい家(教会堂)を建設するよう司教に伝えるよう求められたのです。

◇2・3回目の出現

フアンディエゴはさっそくスマラガ大司教にその話を伝えるも信じてはもらえず、そのことを伝えるために再び女性の現れた場所へ戻りました(2回目の出現)。そして神の母は大司教へ日曜日にここへ来るようフアンディエゴへ伝えましたが、大司教は信用できる何かを見るまでは信じることができなかったのです。すると神の母は再びフアンディエゴに、月曜日にここへ戻るよう伝えたのです(3回目の出現)。

しかし約束の月曜日、病状の悪化した叔父の看病のためにその場へ行くことができませんでした。

◇4回目の出現

12月12日(火)にフアンディエゴはトラテロルコの教会へ向かって歩いていると、再び神の母が現れ、何があったのかを尋ねたのです。叔父の病状を伝えると神の母は「叔父はもう回復したので心配無用。あとで丘の上の花を摘みにいきなさい」と言ったのです。

神の母の言う通り叔父は回復しており、その後丘へ行くと、季節外れの寒い時期に咲くはずのない、そしてメキシコにはこれまでに咲いたことがなかったバラが咲いていたのです。フアンディエゴはマント(ティルマ)にそのバラを包み、誰にも見せることなくスマラガ大司教の元へ運びました。そしてマントを広げると、バラとともに神の母(※聖母グアダルーペ)と天使の姿が現れたのです。

その後、伝説のあった場所に建設されたのが現在のグアダルーペ寺院です。そして12月12日はグアダルーペの日とされており盛大なお祝いとミサが行われています。毎年たくさんの信者たちがこの日にグアダルーペ寺院を訪れています。

※この伝説の時点では「神の母」がグアダルーペであることは名乗られておらず、聖母(マリア様)自身が「神の母」であると言うコンセプトも認識されていない。

参考資料(論文):加藤薫『グアダルーペの聖母像信仰の謎の解明に向けて』

ではこれから寺院内の説明をしていきたいと思います。簡単な寺院内マップをまずどうぞ♪

バラの咲いていた丘の上の教会 CAPILLA DEL CERRITO

寺院の敷地を見下ろすことのできるテペヤックの丘にある教会(CAPILLA DEL CERRITO)。1760年に建設が始まり、1800年ごろに完成した新バロック様式の教会なのでそうです。

ここは丘の上なので、辿り着くまでにはけっこうな階段を登ります・・・。

教会入り口を通ると、左右の壁には「グアダルーペの奇跡」のストーリーが壁画として描かれています。この写真は、フアンディエゴがスマラガ大司教にマリア様が現れたことを伝えている様子だと思われます。大司教のいるこの場所は、現在のソカロ大聖堂横にあるPalacio del arzobispadoという建物なのだそうです(現在はミュージアム)。

正面の礼拝堂にはグアダルーペとフアンディエゴが飾られています。写真が途切れてしまってるのですが、天井のドーム部分にはイエスキリストとその子供(神の子)、聖霊の天使(Espíritu Santo)が描かれています(全体が映るような写真を撮らなかったことを激しく後悔!)。

この教会のある丘は伝説の中に出てくるバラが咲いていた場所なのだそうです。寺院内にはいくつかの見所がありますが、個人的にはここが一番グアダルーペの原点を感じるような場所でした。

泉の教会 CAPILLA DEL POCITO

テペヤックの丘を左手方向に下っていくと、ブルーと白のドームが映える泉の教会(CAPILLA DEL POCITO)があります。

内部に入ると、そのゴージャスさに驚きます。思わずため息が出てしまうほど美しい!それもそのはず、この教会はラテンアメリカで最も美しいバロック式の教会と言われているのだそうです。先ほどの新バロック式とは異なり、飾りが多いのがバロック式の特徴なのだそうです。

教会内の後方には井戸があります。ここはもともと泉の出る場所で、この水を飲むと体調が良くなると言われ多くの人々が口にしました。ところが衛生的に綺麗な水ではなかったので、逆に体を壊してしまう人が多く水を飲むことを禁止されてしまいました。その代わりにこの教会が建てられたのだそうです。

フアンディエゴが住んでいた場所 ANTIGUA PARROQUIA DE INDIOS

泉の教会のすぐ近くに、フアンディエゴがグアダルーペの映し出されたマントを守るために長年住んでいたと言われる教会があります。

正面の額にはフアンディエゴが。頭の周りを白い円で囲われているのは聖人であることを示しているのだそうです。フアンディエゴは2002年にフアンパブロ二世によって聖人に認定されました。

カトリック教聖人の中でも人気のサンアントニオ デ パドゥア(SAN ANTONIO DE PADUA)の像もあります。サンアントニオ デ パドゥアは、死人を生き返らせるなどの様々な奇跡を起こし、今でも奇跡を起こし続けていると言われているそうです。失くし物、結婚、縁結び、不妊、愛、老人、動物などの守護聖人と言われています。

フアンディエゴの手にしているこのマントはレプリカで、本物(と言われているもの)は、後述するバシリカに飾られています。

内部の右奥には小部屋があります。この周辺は滝や泉があったりと水が多く、地盤も緩いために建物が傾いたりしています。この方杖のようなものも崩壊を避けるためのものと思われますが、修理をしている時に部屋らしきものが発見され、これによってあくまで伝説上の人物とされていたフアンディエゴが、本当に実在したのかもしれないと思われるようになったのだそうです。

伝説とリアルが混在するハイブリッドな空間という感じがしてなんだかワクワクしました。

ひとまわり大きくなった教会 BASILICA ANTIGUA

グアダルーペの起こす数々の奇跡を噂に聞き、信者たちがどんどん増え始めたために、もうひとまわり大きな教会が建てられました。それが旧グアダルーペ教会(BASILICA ANTIGUAまたはIGLESIA VIEJA)です。

1695年に建設が始まり、1709年より教会として使用されてきました。内部は一般的な教会といった感じがします。信者が増え続けたため増設を重ねるも、1976年に現在のバシリカ(教会)が完成したのを機に一旦閉鎖されました。

建物が明らかに傾いているのが分かりますよね。地盤が緩いためにこのようになってきているのですが、メキシコシティのソカロにある大聖堂(カテドラル)と同様、地下に特別な技術が施されているので倒れることはないのだそうです。このような修復なども経て、2000年に再び旧バシリカとして解放されました。

緑の屋根が特徴的な現在の教会 BASILICA DE GUADALUPE

いよいよグアダルーペ寺院のハイライトである新バシリカ(BASILICA DE NUESTRA SEÑORA DE GUADALUPE)です。この教会は1974年に工事が始まり、1976年竣工。現在ではメインの教会となっています。建築はペドロ・ラミレス・バスケス(Pedro Ramírez Vázquez)。代表的な作品に国立人類学博物館やアステカスタジアムなどがあり、またレフォルマ通りにある日本大使館(現在改修中)のデザインを、日本の有名建築家である丹下健三とコラボして手がけたという経歴もある有名な建築家です。

建物頭頂部の十字架部分はグアダルーペの冠を、緑の屋根はマントを表現し、グアダルーペに守られているようなデザインになっているのだそうです。

光が差し込み、広く開放感のある教会内部。建物の特徴としては、どこからでもマリア様を見ることができるようにと柱を中心部にあまり設置していないところなのだそう。ここでは1時間毎にミサが行われており、上階はプライベートミサのできる個室となっています。

神の御加護を求め、ひざまづいて祭壇へ向かう人も多く見られました。正面にはグアダルーペが現れたフアンディエゴのマントが飾られています。実はこのマントはもっと間近に見ることができます。

建物裏手にも出入り口があり、そこから入るとマントを間近で見ることができるのです。動く歩道に乗って見るためあっという間に通り過ぎてしまい、じっくりと眺めることができないのがちょっと残念なとこですが、もう一度見たければひとまわりして何度も歩道に乗って見ることは可能です。

このマントは何百年も前から飾られているものなのに全く色褪せず、これもまた奇跡として伝わっているそうです。

動く歩道の近くにはグアダルーペグッズの公式売店もあります。とにかくたくさんの小物がいっぱい!グアダルーペファンにはたまらないショップですが、「これ素敵!」と思うような物は軒並み売り切れ。みんな目をつけるものは同じなんだなって思いました。日曜日や休日は寺院自体が混雑し、ショップも人でごった返しているためゆっくり見たければ平日がお勧めです。

その他の見所

ここまで主要な見所を紹介してきましたが、寺院内には他にも押えておきたいスポットがまだまだあります!

鐘の時計台 EL CARRILLON

新バシリカに向き合うような位置にあるこの時計台は1時間毎に人形が出てきて「グアダルーペの奇跡」のストーリーを見ることができますよ。

フアンパブロ二世像

旧バシリカの正面左横にあるフアンパブロ二世像。2002年にフアンディエゴを聖人に認定。ポーランド人でメキシコにも4回訪れているそうです。メキシコでも人気の聖人。来日もしているそうですね。

グアダルーペと写真を撮れるスポット

新バシリカの裏手にグアダルーペと写真を撮れるスポットがあります。何度見てもグアダルーペ像は美しいですね。

グアダルーペ博物館 MUSEO DE LA BASILICA DE GUADALUPE

旧バシリカの裏手にグアダルーペ博物館(MUSEO DE LA BASILICA DE GUADALUPE)があります(入場料10ペソ)。この博物館もなかなか広く見応えたっぷりですが、メインに収められているのがエクスボト(exvoto)という祈願成就の奉納物です。信者たちは願いが叶うと、その奇跡のストーリーを絵描きさんに描いてもらって納めるのだそう。リアルにストーリーを感じられるようなたくさんの絵が飾られていました。ちなみにエクスボトは気持ちの一つなので、絵画でなくてはならないと言うことはないそうで、旗やオハラタ(ブリキ細工)などのエクスボトも展示されていました。

写真(右)の絵はバス事故の様子で、一瞬フリーダカーロを思い起こしました。ちなみにフリーダカーロは言うまでもなく自身が画家なので、彼女の作品自体がエクスボトそのものみたいなものなのだそうです。とても興味深いですね。

フアンディエゴ像(バラの奇跡)EL MILAGRO DE LAS ROSAS

寺院内ではこれでもかというほどにフアンディエゴに遭遇しますが、中でも個人的には、泉の教会の近くにあるこの像が一番存在感を感じる作品でした。

上記で紹介した他にも、子供が洗礼を受ける場所(BAUTISTERIO)や大きな庭(本物のバラも咲いてました)、一般のお墓などまだまだ見所がたくさんあり、半日観光でも全てをゆっくりと見て回ることはできませんでした。いつか全制覇してみたいです!

その他のインフォメーション

グアダルーペ寺院へのアクセス

グアダルーペ寺院はメキシコシティ北部にあり、中心地からは若干離れています。地下鉄だと最寄り駅はLA VILLA BASILICAになります。駅を地上に出ると(上の写真)バシリカへ向かう大通り(CALSADA DE GUADALUPE)があり、両脇にグアダルーペグッズを売るお店がたくさん並んでいます。寺院の敷地裏手には駐車場もあります。

余談ですが「教会」を表すスペイン語について

話が少しずれますが、一般的にスペイン語で「教会」というとイグレシア(IGLESIA)という言葉を思い浮かべますが、教会でもいろんな呼び名があるのが少し気になっていました。

以下の言葉はどれも教会を指すものですが、規模的に呼び名が異なったりするそうです。参考までに。

  • CAPILLA(カピージャ)・・・小聖堂、チャペル
  • PARROQUIA(パロキア)・・・地域の教会のような場所、教区教会
  • IGLESIA(イグレシア)・・・教会、教会堂(建物としての)
  • BASILICA、CATEDRAL(バシリカ・カテドラル)・・・大聖堂(一番立派な感じ!)

ガイドを担当してくれた旅行会社

今回、観光ガイドをお願いしたのはメキシコシティにある旅行会社ビアヘス パセラさんです。メキシコに関するプロの方が集結した新しい旅行会社で、私はグアダルーペ寺院を徹底ガイドしてもらいたかったので半日プライベートツアーをお願いしました。

日本語が話せるメキシコ人ガイドのフェルナンドさんが担当してくださり、とても充実した観光になりました。質問攻めして申し訳なかったですが、おかげさまでこのような記事を書くことができました。日傘やお水まで準備してくださったりと、本当に色々とありがとうございました。この場でもお礼を申し上げます!

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ちょこっとだけ商品紹介をさせてください・・・

先ほどフアンディエゴの住んでいた場所でも登場した守護聖人サンアントニオ デ パドゥアをはじめ、グアダルーペに関連するグッズをネットショップにてたくさん販売しています!

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最後まで読んでくださりありがとうございます!

とんでもなく長い記事になってしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます!

ガイドさんのお話によると、グアダルーペ寺院観光はツアーでテオティワカン遺跡(ピラミッド)とセットで寄ることが多いらしく、遺跡観光がメインになってしまうため寺院には15分程度しか寄らないのだそう。ちょっと勿体無い気もしますが、グアダルーペはメキシコをはじめ中南米を中心に計り知れないほどの信者がいて、ここを訪れるためにメキシコへ来る他国の人たちも数多いです(私がペルーで滞在したファミリーのママもここを訪れるためにメキシコへ行ったと言っていました)。日本人にはあまり馴染みのない世界かもしれないですが、私個人的にはメキシコシティ観光のハイライトとも言えるぐらいのお勧めスポットだと思っております!

これまでに出てきた「グアダルーペの奇跡」はあくまで伝説であり、真実かどうかは解明されていないようですが、信者にとってはそれは重要なことではありません。何よりも信じることの方が大事なのだと。

私自身カトリック教ではありませんが、グアダルーペの大ファンの1人です。このような記事が書けて嬉しい限りです!

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