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ここ近年、メキシコシティの犯罪は減少傾向にあると言われているものの、実際のところはどうなのだろう。また、他の都市に比べてメキシコシティの治安はどうなのだろうか等いろいろ気になっていたので、2023年度データ(政府発表)をもとに独自に調査をしてみました。

※犯罪の件数は2023年のデータですが、INEGI(国立統計地理研究所)公表の人口データは2020年に行われた調査のものとなっており、若干気持ちの悪い独自調査結果になっております。また、当調査はあくまで趣味の範囲であることもご了承ください。

メキシコの州別に見る2023年の殺人件数

まずメキシコ全国32州のうち、人口10万人あたりの殺人件数が多い順に見てみました。(オレンジ色の文字はアメリカとの国境に面している州)

圧倒的に多いのはコリマ州で(異常な多さですね)、都市でいうコリマは、メキシコの市民団体(El Consejo Ciudadano para la Seguridad Pública y la Justicia Penal A.C.)が発表している「世界で最も治安の悪い都市ランキング50(Ranking de las Ciudades más violentas del mundo)」でも1位となっています。同コリマ州内にあるリゾート地のマンサニージョも5位にランキングされているのを見ると、納得のできる結果かと思います。

ではメキシコシティはというと24番目に位置しており、殺人の件数でいえば、大都市の割には他の州と比べると少ない方と言えるかもしれません。

メキシコシティの殺人件数【2018年-2023年推移】

では近年メキシコシティ内で起きた殺人件数を2018年から2023年まで見てみましょう。

2018年はロペスオブラドール政権が始まり、次期大統領であるクラウディア・シェインバウム氏がメキシコシティの市長に就任した年でもあります。以後2023年に市長を辞するまでの間に殺人件数が桁が変わるほどに大きく減少しているのがグラフでわかります。メキシコシティの犯罪が減少したというのはこの結果をもとに言われているのかもしれません。

ただ、パンデミックが始まり、人の外出が減ったのと同時期に減少しているとも言える結果にも見えるので、一概にシェインバウム氏の功績だったとは言い切れない部分もあるような気もします。

もう一つ、別の面で注目しなくてはならない部分があります。それは女性を標的とした残虐な殺人(フェミサイド)で、殺人件数が大きく減っているのに対し、フェミサイドに関してはパンデミックであろうとなんであろうとあまり減少していないという部分です。2024年の大統領選挙においても、女性の政治家が殺害される事件が多発していたのも記憶に新しいですよね。INEGI(国立統計地理研究所)の国民意識調査によると、メキシコでの治安に対する危機意識は男性よりも女性の方が上回っているそうで、女性がいかに日々犯罪に巻き込まれないよう警戒心を抱いているというのが垣間見ることができます。

参考書籍:現代メキシコを知るための70章【第2版】

メキシコシティのエリア別に見る2023年の犯罪件数

次はメキシコシティの中でも、どのエリアにおいて治安が悪いのかに注目します。

自治区ごとに見る犯罪件数で、断トツに多いのがイスタパラパ(Iztapalapa)というエリアです。ここは私がメキシコで生活を始めた2007年頃から「治安が悪い場所」として認識してました。日系企業などもあるので、当時勤務していたことのある友人からそんな話は聞いてましたが、用事でもない限り、まして観光客などが近づくエリアでもなく、私自身も踏み入れたことのない地区です。

注目すべきは2番目以降に続いている塗り潰しのエリアですね。犯罪件数が2000件を超えているクアウテモック(Cuauhtémoc)はメキシコシティの中でも最も観光客の多いエリアと言えます。大使館などの立ち並ぶレフォルマエリアから繁華街のソナロサ、欧米人観光客が年々増え続けているローマノルテ、セントロと言われる旧市街など全てがこのエリアに属しています。そしてメキシコの中でもイスタパラパ同様に治安の悪いエリアの筆頭として知られるテピートもここに属しています。

2024年3月のローマ地区において発生した発砲事件(外務省・たびレジ)

強盗の件数で見た場合、3番目グスターボ・A・マデロ(Gustavo Adolfo Madero・メキシコシティ北部)の877件よりも、クアウテモックの方が明らかに上回った1317件になっています。しかし殺人の件数で見ると、クアウテモックが80件なのに対し、グスターボ・A・マデロは121件と逆転。つまり極悪な殺人事件は中心地から離れたエリアで多発していて、中心地では金品等目当ての強盗が多発していることがわかります。観光客などが強盗のターゲットになっているかもしれないことも伺える結果とも言えそうですね。

グスターボ・A・マデロには観光客もよく訪れるグアダルーペ寺院や、他の都市へのアクセスとなる北バスターミナルなどがあります。

クアウテモックの中でも観光客の多い場所にはパトロール警官も多いので、日中ならある程度は安心して街中を歩くことができるけども、中心地を離れるとそうもいかないので、十分に気をつける必要があると言えますね。そして強盗と言えど、メキシコではちょっとした盗みが簡単に殺人事件へと発展してしまう風潮があるというのも脳裏に焼き付けておく必要がありそうですね。

※当記事は今後、加筆や修正をする場合がございます。

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