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ラテンの人って時間にルーズなイメージがありますよね。みんながみんなそうではないけども、なかには遅刻するのが嫌いといって時間に正確な人もいます。しかしそんな人はほんの一握りしかいない。おおむねイメージ通りでラテンの人たちは時間にルーズだと思います。おおらかです。よい言い方をすれば…。

私がメキシコのアグアスカリエンテスで生活していた頃、おそろしく時間にルーズな会社の同僚がいました。待たされた方ももはやもう怒りをこえて笑ってしまうほどの遅刻魔。そんな彼らと待ち合わせをすると一体どんなことが起こるのか、そしてそんな彼らから何を教わったのか。当時のエピソードを回想してみようと思います。

Photo by bruce mars from Pexels

同僚のお誕生日会に招待された

ラテンの国では日常茶飯事の誰かの誕生日会。私もラテンの人たちと関わるようになってからは日本、海外問わず誕生日会に誘われることが多くなりました。

遅刻魔の同僚パコの誕生日会場は、私が住んでいた家から徒歩5分ぐらいの場所にあるサロン(パーティーができるようなスペースのこと)。近いから自分で歩いて行ってもよかったのだけど、主役のパコから「迎えに行くから準備ができたら電話してね」と言われていたので、夜道というのもあったしその通りにすることに。

電話の向こうはガヤガヤと盛り上がっていたので、きっとパコはもう完全に酔っ払ってたに違いない。

電話に出るなり、

パコ:「おおおぉ!MAKIサ〜ン、どこにいるんだい?」(なぜかいつも私のことを“さん”付けして日本風に呼ぶパコ)
私:「家だよ。もう準備できたよ」
パコ:「Ok!すぐにまたかけ直すよん!」がちゃ。

えっ?かけ直すとはどういう??

しかしこのパコの言う「すぐに」というのが一体何百年ぐらい待たされるのだろう?と思うぐらいとてつもなく長いことを思い出した。しばらくパコとは「待ち合わせる」ということをしていなかったので忘れかけていたが。

※メキシコでは「すぐに」「まもなく」といった意味の言葉を「Ahorita(アオリータ)」ということが多い。しかしこのAhoritaは人によっては本当にすぐであったり、永遠?とも感じる時間になることもあるため、はっきりいって意味をなしていない。なんでも「アオリータ」と言っとけばいいので便利な言葉でもある。

電話をがちゃんと切られてから2時間以上が経過

完全に忘れられてるような気がだんだんしてきた…。
夜も遅くすでに12時近かったし、もう行くのやめて寝る準備でもしちゃおうかなと思い始めたころに、なんとパコの友達が家まで車で迎えにやってきた。

ここまで時間経っても忘れていないところが逆にビックリだ。しかもこの人誰?まったく知らない人なんですけど、何でうち知ってるの?ツッコミどころとナゾが多いのもまたメキシコ。

しかし会場は徒歩5分のところなんだから、最初から自分で行ってれば今頃はもう十分に楽しんでそろそろ帰るころだったんじゃないかと思うと、彼の時間のルーズさを恐ろしく感じ、この待たされた2〜3時間は一体なんだったんだろうと思いなんだか急にムカついてきたのです。

「おそーーーいっ!!」っと一言ぶちキレてやりたかったけど、相手は当のパコではない。たとえパコだったとしても今日は彼が主役の誕生日会。そんなことでも言って不機嫌になって険悪ムードになってしまうと、うっかり私のほうが悪者になってしまう。

Photo by  Alexas_Fotos

何百年とも感じる長い時間を「もう来るだろう、もう来るだろう」と思って一度履いたブーツも脱がずにいつでも出れる状態で待たされ、かなり不機嫌になっていた私の気持ちをつゆほども知らない超ご機嫌なパコ。本当に幸せなヤツだっ!私はメラメラした気持ちを抑えながら、引きつった笑いをしながら「おめでとう!!」と言い、用意していたシャンパンをプレゼント。

すると「おおおぉーMAKIさ〜ん!何これ?えっ?僕へのプレゼント?ありがとう〜!!めちゃくちゃ嬉しいよ」と無邪気に喜んでいる。そんな彼の姿をみて「これでいいのだ。これでいいのだ」と必死に自分に言い聞かせて宴の席へと向かうのでありました。

その後は私ももうメキシコ人と化しました。朝方まで歌えや踊れです。やはりこの切り替えがとても大事です。そうでないとラテンの国ではやっていけません。

のんびりもたまには必要

この同僚パコとの待ち合わせドタバタ劇はいくつかのエピソードがあるけども、彼の人柄も相まってかいつも笑いで終わってしまいます。私のほうは半ばあきれ笑いだけど「これがメキシコだよ」といつも言われてしまう。確かにそう。それがメキシコ…それが嫌ならこの国から去るのはのは私の方なんです。

こういった日本では起こりえないようなことを体験しながら、私は彼らから「たまには肩ひじ張らずにのんびりしなよ」って教えられていた気がします。日本ではなかなかメキシコのような生活はできないけども、あまり頑張りすぎないようにすることはできるんじゃないかな。ふっと力を抜いて。

いま思い返せばメキシコでの生活で経験したことは本当に貴重なことばかり。時々ラテンの国へ行ってのんびりして、一度立ち止まってみることも私にとってはとても大切なことなのです。

パコとの待ち合わせ珍エピソード第2弾!こちらの記事でもご紹介しています。興味があればどうぞ…。

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