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今回のエルパソ滞在では「国境」と、そして北米・中南米で大きな問題となっている「越境しようとする、または越境した移民希望者たち」について少し触れてきました。

トランプの壁を見に行く

たまたまなのですがエルパソへ行く少し前、中南米から北米を目指す移民キャラバンを追ったドキュメンタリーの本を読んで衝撃を受けていたところでした。その後、偶然にもエルパソに住んでいる古い友人から久しぶりにコンタクトがあり、しかもこの友人の職業が国境警備隊(ボーダーパトロール)であったことも思い出し、トントン拍子でメキシコの帰りにエルパソを訪れることになりました。

トランプの壁は国境に近いところならわりとどこからでも見ることができます。ただし遠巻きに目にする感じなので、私はもっと近くで見てみたい!と友人にお願いして近くまで連れて行ってもらいました。

壁の高さは?

壁の高さは30フィート。約9メートルです。既存の壁が約5メートルほどだったというので、倍近くの高さになったわけです。国境警備隊の友人いわく「これまでの壁は低かったから簡単に乗り越えることができた」と。

個人的にはもっと高さがあるものだと思っていたのですが(進撃の巨人のような壁を想像していた・・・^^;)、これを越えようと思うとやはり「高い壁」なのかもしれません。

この壁建設はトランプ政権時の公約でしたね。といっても3200kmにもわたる全ての国境沿いにギッチリと壁が立てられたわけではなく、所々途切れている箇所なども見られます。しかもその後バイデン大統領に変わってからは壁の建設は中止されています。

途切れてたら意味ないんじゃないの?っていうのが私の直の疑問でした。

けっこうあいまいな「国境」

この写真も壁が途切れている箇所のひとつ。簡単に誰でも壁のこっち側と向こう側を行き来することができるのです。といってもこの壁があるところは実際「こっちも向こう」もアメリカなのですが・・・。

この壁を超えたところに、よくわからない曖昧な感じの国境がありました。

これはちょっと驚いたんですが、この平屋の建物って実はメキシコの革命家「パンチョ・ビージャ(フランシスコ・ビージャ)」が住んでいたことのある家なんだそうです。現在はミュージアムになってるらしいですが、まさかこんなスポットにここで遭遇できるとは思ってませんでした。当然、中に入ってみたかったのですが・・・。

そう、この建物がある場所はメキシコなんです。左に見えている看板が英語で書かれているので、自分のいる位置がアメリカ側であることはお分かりいただけると思うのですが、基本、柵も何もありません。なのでここへ入ってうっかりとアメリカ側へ戻ってくると不法入国になってしまいます。

そして一応ですね、このような「ここが国境ですよ」とラインの引かれている石造もありました。手前の太い線が国境ライン。

赤い丸の箇所です。まさにボーダーですね。

ちなみに地図の左上にある「Mount Cristo Rey」にも訪れたので、次の記事で少し触れようと思います。

不法に入国したらどうなるの?

友人の話によると、2023年2月ごろの時点ではエルパソで拘束される書類を持たない入国者は1日につき2000人ほどだと言っていました。一番多いのがベネズエラからなのだそう。私はこのあまりにも多い数を聞いて衝撃を受けたのですが、毎日この人数、しかも国境エリアの管轄はここだけではないので、相当な数の「移民希望者」たちがアメリカへの入国を試みていることが想像できます。

許可なく入国した人たちは、国境警備隊に拘束されればフアレスへ送還されるだけですし、そうで無くても結局は移民となるための許可が下りなければ「非合法移民」として留まるしかなく、住む場所も職にもあり付けず、そういった人たちが街中に溢れかえってしまっているわけです(この様子は次の越境者編で触れます)。

ちなみに拘束された人たちは名前の登録と写真、指紋をとられてフアレスへ送還、そしてまた何度でも越境を試みるのだそうです。

「越境者編と絶景スポット紹介」へ続く>>>

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