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前回の記事「トランプの壁編」に引き続き、今回も「越境しようとする、または越境した移民希望者たち」について書いていきます。そして最後に今回のエルパソ滞在で訪れた絶景・夜景スポットを紹介しようと思います。

壁となる山・クリストレイ

トランプの壁を間近に見てみたい!ということで連れて行ってもらった場所からほど近いところにある「Cristo Rey(クリストレイ)」という山へ行きました。

クリストレイはハイキングコースになっているので、誰でもこの山を歩くことが可能です。

ここは国境沿いにあるのですが、教会の所有地のため、壁を建設できないのだそうです。山自体が壁になっているような感じでしょうか。

越境者たちにとっては鉄の壁を乗り越えずに密入国のできる穴場的な(?)場所なのかもしれません。というわけで当然、アメリカへ密入国した移民希望者たちがここにはたくさん潜んでいるようで…。実際に私が行った時もわずか1〜2時間ぐらいの間に4人ほど遭遇しました。友人が国境警備隊のエンブレムを見せて声をかけると、走って逃げて行ったので明らかです。普段もっといるそうなのですが、私たちの話し声などを聞いて、おそらく岩陰などに隠れているのではないかと言っていました。

脱ぎ捨てられた服がたくさん落ちています。なぜかというと、汚れた服を着ていると一目で密入国者だとバレてしまうため、綺麗な服に着替えるのだそう。

教会の所有地なので、所々に十字架や聖人の人形が飾られています。アメリカ生活を夢見る移民希望者たちは聖人に奇跡を求めているのだろうかと思いながら見ていました。

後ろに見えている茶色いラインがトランプの壁。こうやってみると長い壁なんだなって思います。ここはまだ山の中腹です。頂上まで行きたかったのですが、この時はメキシコから到着したその日だったので、旅の疲れと暑さで断念しました。

クリストレイの向かい側の丘の上にもパトロールカーが!人の動きを見ているのかもしれません。

これまでニュースでしか見たことのなかった移民の話って別世界のことのように思っていたけども、エルパソへ来て「自分は今、その世界を現実に見ている」と感じずにいられなかったです。

ダウンタウンの光と影

ここで少しエルパソのダウンタウンについて紹介しようと思います。

エルパソのダウンタウンは「パソ・デルノルテ」という国境ゲートを挟んで、メキシコ側にある街シウダードフアレスと繋がっています。国境である川「リオ・グランデ」を渡り、アメリカ側の入国管理局では審査を受けます。ちなみにメキシコへの入国は回転扉を通過する程度の簡単なものでした・・・

エルパソへ入国すると、小さなロータリーと免税店があります。

ロータリーのある小さなゲートはメキシカン風で可愛いです。スペイン語で「BIENVENIDOS(ようこそ)」と書かれています。

門をくぐり抜けると、道の両橋にズラリと衣料品や雑貨店、所々に両替所が並んでいます(地図の赤いラインの部分)。服や雑貨などは値段もかなり安いですね。鮮やかな彩りのファッションがラテンの雰囲気を醸し出していて、まだここはメキシコの続きのような感じもします。

そして衝撃を受けたのが、別の通りに入って突然見えてきたこの景色(地図上の赤い点線で囲っているあたり)。移民者(indocumentados:米国滞在の正式な許可を得ずに滞在している人)たちがこのように道端に座り込んでいたのです。

この景色を見て思わず「うわっ!」と言ってしまいました。なんかスラムっぽくて怖いなと。車内から撮っている写真ですが、あまり降りる勇気はなかったです。

国境警備隊の友人曰く、彼らは越境してきて移住者としての許可がおりるのを待っているが、おそらく許可はおりないだろうと。

彼らは自国の暴力や危機から逃れるため、自分には想像もできないほどの危険で長い旅を経てここまでやってきたのかもしれません。先ほど「ちょっと怖い」と言いましたが、そんな人たちがここで悪いことでもして、目立つようなことをしたらすぐに警察に捕まって送還されてしまいます。なので犯罪を犯すなんてことはするはずないんですよね。

ただやはり魔がさすというか、この暑さ(ここは砂漠)や長旅の疲労、ストレスなのか、つい咄嗟に手が出てしまうこともあるようで、友人は実際に拘束した人から殴られ、怪我をして3週間ほど勤務ができない事態が起こったそうです。暴力を振るった人は5年間刑務所行きになったとのこと。

移民たちが国境の壁付近でキャンプをする様子をニュースで目にしたり、インタビューなどを聞いていると「気の毒だな」と彼ら側の立場になったりもしますが、いっぽう越境はしたものの、身寄りもなく行き場のない移民者たちが街中にたむろしている、そのような問題を抱えているアメリカ側の立場もわからなくもないです。

人道的に解決をしようとするバイデン大統領に対して、「とにかく移民を入れるな!」と壁でシャットダウンしようとしたトランプ元大統領。どちらの味方ってわけでもないですが、エルパソに来てみてトランプの壁って本当に必要だったのだろうか?ってのはすごく思いました。

この移民問題について考えたり話したりするのは非常に複雑で難しいことなんだなってブログを書いていてすごく思いました。

↓こちらの本も参考にしました↓

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大通り(パイサノ通り)を挟んだ向こう側はガラッと雰囲気が変わります。ホテルやオフィス街になっていて、一気にアメリカっぽい街並みに。人も少なくて落ち着いた雰囲気でした。

この近くには野球のスタジアムなんかもありましたし、少し離れたところにアウトレットモールだってあります。エルパソにはこれといった観光地はないけども、人が生活する分には十分な施設が揃っています。大都市すぎないところが居心地良くて、私は「この街好きかも」って日を追うごとに思うようになっていました。

とにかく美しく、カオスな夜景が見れるシーニックビュー

最後にエルパソの絶景スポットを紹介したいと思います。

これはシーニックビューという展望台から撮った写真です。センターのクネっとしたラインの明かりが国境です。ボーダーラインを挟んで左側がエルパソで右側がメキシコのシウダードフアレス。

フアレス側には町のシンボルであるオブジェ・エキス(赤いXの形をしているもの)が見えています。

こちらは反対側のアングル。手前がエルパソで中央のビル群がダウンタウン。そして奥側がシウダードフアレス。

ただただ美しい・・・。これまでの人生でもニューヨークやパリなどの華やかな夜景を見て感動もしましたが、ここほどにドラマを感じる夜景はないなと。

かつて世界一危険な都市と言われたシウダードフアレスと、全米一治安の良い都市と言われているエルパソ。フアレスの特定のバリオ(エリア)では今でもナルコ(麻薬密売人)やシカリオ(殺し屋)などが生活を営んでいる。そしてすぐ側には越境した移民希望者で溢れかえるダウンタウン。

生活だって全然違います。暑い砂漠の中、エルパソには一般家庭に冷房があるけども、フアレスでは基本ありません。エルパソではシャワーの熱いお湯が並々と出るけども、フアレスでは水圧も弱く、気温の下がる冬でも体が温まりません。

こんなにカオスな夜景が他にある?

このドラマチックで素敵な夜景を見るためだけにでもまたエルパソへ戻りたいと思っているこの頃です。

 

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